ことばと上手に付き合うには

*徳島県あわ文化創造アドバイザー日記―その3*

(前回の日記はこちらから)

2018年11月29日の朝。徳島市内のホテルから吉野川まで散歩してみた。

国道の排気ガスにむせながら30分ほど歩き、たどりついた吉野川。車で通り過ぎるばかりだったので、初めてその大きさを体感できた気がする。

「吉野川の豊かな流れがあってこそ栄えた徳島の街……」。川面の海苔漁を眺めながら思い出したのは、「届ける広報ゼミ」の参加者から提出された課題文だ。

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広報ゼミ第2回・第3回のテーマは「ことば」

徳島県主催で、県内の自治体・文化団体とともに、コミュニケーションのあり方を探る「届ける広報ゼミ」。10月、11月に開催したゼミでは、2回とも「ことば」について考えた。

文化事業はことばを使う場面が多い。事業計画から助成金の申請、関係者とのコミュニケーション、イベントの告知文、SNS運用まで、多様な立場の人と多様な手段でやりとりする。ある程度の規模があれば、広報担当者を雇ったり、プロのライターに委託することもできるけれど、ほとんどの文化団体は少人数で手弁当。他の業務の合間にことばを紡いでいるうち、何を伝えたいのだかよくわからなくなってくる……なんてことも少なくない。

あらゆる現場で起きがちな「ことばの混乱」を解きほぐすために、第2回、第3回では、手を動かしつつ、改めて「伝えたいこと」を参加者に考えてもらった。

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2018年11月29日開催、届ける広報ゼミ第3回「ポイントを押さえて伝える」の様子。

まずは「ことばの基本」を押さえる

第2回(10月13日開催)では、「ことばの大切さ」をテーマに掲げ、まずは伝えるための基本を押さえることに。型を守らねば、アレンジもできない。添削ワークショップなどを通し、機能する文章とは何かを参加者と一緒に考えた。

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伝えたいことを絞る

第3回(11月29日開催)では、「ポイントを押さえて伝える」がテーマ。団体の説明文と事業の説明文を2種類書いてもらい、それを400文字→120文字→30文字……と、だんだん絞っていく。何が一番大切なのか? 構成によって伝えられることの違いは? などを考えながら、参加者全員の課題文を講評した。

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真面目なだけでも、綺麗なだけでもだめ

後半のゼミ課題では、参加者それぞれの個性的な文章が届いてとても面白かった。皆さん、みずから事業を組み立て、課題意識を持って活動しているだけあって、どれも中身が濃い。文章も上手だ。一方で、それぞれに書き癖が出ていて、改善し甲斐もありそう。

組織や事業を伝える文章には、いくつかコツがある。事実に即した真面目な文章であることは大切だが、参加したいと思える呼びかけがないと機能しない。美しい表現に溢れていても、裏付ける情報がなければ怪しいだけ。

適切に伝えるためには、発信者と受信者の間の情報差に気づき、的確にことばを編めるかどうかが重要だ。

と、偉そうに書いてしまったけど、伝えることは本当に難しい。わたしも悩んでいて、参加者の方と話しながら「わかります!」と何度もうなづいてしまった。

いよいよ折り返し地点に来た広報ゼミ。次回は「形にして伝える」がテーマの予定です!

(つづく)


*ゼミ資料

以下は、ワークショップも含めた当日の資料。(そのほかの講演資料はこちらで公開中)


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